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誕生日

昨日は、東京時代の仕事でお世話になった、大好きな人の誕生日でした。

いつもニコニコしていて、だいぶ年上だったけど、可愛らしい可憐な人でした。

いつも何かしらワーワー騒ぐ私たちに、いつも優しく「大丈夫よ」と言ってくれました。

東日本大震災の時、私はちゃっかり自分の荷物を持って避難したのに、その人はお店にあった倒れそうな花鉢を持って避難していました。

そういう、優しい、柔らかい人。

 

その人は、コロナの頃大きな病気をして、去年の11月に亡くなりました。

毎年、7月16日にはお誕生日おめでとう連絡をしていて、今年は亡くなってから初めての誕生日。

返信が返ってこないことがわかっているから悲しくて切なくて、でも迷ったけどLINEを送りました。

生まれてきてくれたから出会えて、誕生日があるからその人が生きた証があって。それはかけがえのない事だから。

やっぱり「おめでとう」って言いたくて。

すると、数時間後、来るはずのない返信が届きました。

旦那さんが送ってくれた返信でした。

 

そこには、今日送り火をしたこと、辛くとても切なかったこと、そして私への感謝の言葉が綴られていました。

数回、やりとりをしました。

 

時々、奥さんの携帯に‘去年の思い出の写真‘のメールが届くそうで、それを一度開いてしまい、そこにあった思い出がとてもつらく、メールを開けなくなったこと、

お二人でよく行っていた花火大会のポスターを見て思い出したこと、

思い出がよみがえり、こみあげ、寂しく辛くなること、でも一生懸命生きて、感謝をしていること、

沢山気持ちを伝えてくださいました。

そこには愛があって、愛しかなくて、愛する人がいなくなって寂しくて苦しいけど、心が少し暖かくなる瞬間もあって。

旦那さんには、お通夜の時に一瞬しかお会いできなかったけど、

旦那さんのこと、一人じゃ何もできないのよって笑いながら言ってくれていたことを思い出し、お互い本当に大好きで大切でかけがえのないご夫婦だったんだなと思いました。

花火大会に行くのを楽しみにしていた年に、やっぱりやめたって言われて拗ねていた姿を、今でも鮮明に思い出します。

未だに思い出の写真が見れなくて、LINEがなったら気付くくらい携帯を傍に置いて、きっと毎日話しかけて、苦しんだり悲しんだり切なかったりして過ごされているんだと知って、

どうか旦那さんの心が少しでも暖かく、幸せを感じる瞬間がありますようにと願いました。

 

なにも特別はいらない。本当に普通の、普段の何気ない会話が、幸せだったと、旦那さんは最後に仰っていました。

 

毎日が誰かの誕生日で、毎日が誰かの命日。

誰かにとったら特別な日。かけがえのない人の、特別な日。

 

毎日を大切に、もっとゆっくり、ちゃんと大切にできるよう、しっかり生きようと思いました。

大切な人を亡くした人の心が、少しでも癒されますように。