黒染めとは
OVERVIEW

「金属の黒染め」とは?

 金属の黒染めは塗料を上塗りする塗装とは違い、化学反応を起こして黒く染めます。金属の風合いを生かした仕上がりが可能で、光沢のある金属は光沢のある黒に。マットな金属はマットな黒に仕上がります。

ムラや液ダレ跡、孔食と呼ばれる斑点が出るなど、塗装のように均一的な質感ではありませんが、黒染めにしか出せない味のある美しさ、温度感のある黒になります。無機質な印象の金属に、有機的な特性が加わり、個性的で温もりのある黒が生み出されるのです。染めを施した製品を日常で使ってもらう事で、もっと多くの人に黒染めの美しさを知ってもらいたい。この先もずっとこの技術を残したい。そう思っています。

黒染めという技術

「金属の黒染め」と聞いて、ピンと来る方はとても少ないと思います。その字の如く「金属の黒染め」とは、布を染めるように液の中に金属を漬けて黒く染める技術です。内面への浸透部分も含めて1ミクロン(1mm/1000)の薄さで変色させ、物の寸法変化がないので、寸法を変えたくない精密部品にも施されます。例えるなら塗装は「お化粧」、黒染めは「日焼け」というイメージが近いかもしれません。 

黒染め液をぐつぐつ煮立てて金属を入れると、表面に酸化皮膜と呼ばれる膜ができ、黒く変色します。この黒い酸化皮膜は、反射を防いだり、デザイン性をあげたりします。実は生活の中に隠れている身近な技術なのです。

〔 黒染め工程 〕

  • 1

    前洗浄

    金属表面に油や汚れ、異物等がついていると、
    黒染めの仕上がりに影響が出てしまうため、これらを洗浄します。

  • 2

    液 漬

    金属を黒染め液といわれるアルカリ性の液に漬け込みます。全体に液が触れるように治具を使用したり、
    並べ方にも注意します。黒染め液につけたまま加熱することで、化学反応が起き、黒い酸化被膜が形成されます。
    素材の違いや外気温にも影響される為、温度や時間などをコントロールします。

  • 3

    後洗浄

    金属についた薬液と、化学反応によって着いた煤(すす)も一つ一つ手洗いします。

  • 4

    検 品

    傷や黒染め具合を確認し出荷します。

私たち株式会社テーエムは、新潟県燕三条エリアで鉄やステンレスに黒染めを施す表面加工の会社です。