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あの人に会いにVol.4「うつわ屋まほろ」さん

96【KURO】をお取り扱いいただいている販売店さんへのインタビュー。

 

お取扱をいただいている店舗さんは、本当に素敵なお店ばかりで、そして素敵な方ばかりです。

そんな方に、純粋に会いたい。

その想いを抱えて、お店のことや96【KURO】のことなど、お話を伺うインタビューです。

 

 

第四弾は、

神奈川県横浜市、東横線沿いの住宅街にある、うつわの専門店「うつわ屋まほろ」さんです。

横浜の中心地の近くでありながら、都会の喧騒から離れた閑静な住宅が広がるエリア。

そんな住宅街に佇む自然豊かな住宅街に佇むお寺「妙蓮寺」

歴史あるこの妙蓮寺に温かく見守られるこの街は、まるで下町にいるような感覚になります。

昔ながらの飲食店や個人商店、その中に混ざってカフェやパン屋さんが並び、ゆったりしながらもワクワクするような町。

そんな中にある「うつわやまほろ」さんです。

店主の清野さんに、96【KURO】製品の印象や魅力、お店のこだわりについて、お話を伺ってきました。

 

 

「若い作家さんを知ってほしい」

 

 

よろしくお願いします。まず初めに、「うつわ屋まほろ」さんはどういったものをお取扱いされているお店か、お伺いできますか?

 

清野さん:うちは基本的には、日本の各地の個人作家さんの作品がほとんどですね。マテリアル的には陶器・ガラス・木工・漆芸、あとは金工もありますね。なので、この素材っていうのは特にこだわりはなくて。

どちらかというと、個人のクリエイションにフォーカスして、個展とか常設の取り扱いをさせてもらっています。

 

 

こちらでも展示をされたりするんですね。

 

清野さん:そうですね。ちょうどおふたりの作家さんの展示をしていましたね。展示会は結構多いです。だいたい1週間強、土曜日から次の日曜日までで、作家さんにフォーカスしてやっていることが多いですね。

 

いろんな作家さんの作品があると思うんですが、どういう風に作家さんを探されているんですか?

 

清野さん:いろいろですが、直接行ってとか、クラフトフェアなどのイベントで集まっているところで作品を見てお話してとかっていうのが多いですね。

 

基本的には直接お会いするようにはしていまして、もし会えない場合でも、作品は必ず実物を見て決めています。なので、遠方の方でインスタとかで知った物でも、「1度作品を見せてほしい」と言って送ってもらったり、東京で展示をやる時に僕が足を運んだりして、実物を見て判断するっていうのは決めてますね。

 

—ほんと、素敵な作品がたくさんありますよね。

 

 

 

清野さんがこのお店をやる上でのこだわりというと、どういったところですか?

 

清野さん:主に2つあって。 1つは、「なるべく若手の作家さんが発表できるような場所を作りたい」っていうことですね。

 

展示の経験とか、他のお店で取り扱いがまったくない人でも、作品がうちの店にフィットしていたり、クオリティがすごく高かったりしたら、お声掛けして企画を練って……みたいことが多いですね。やっぱり応援したいっていうのもありますし、 お客様にも「若くてもいい作家さんがいるよ」っていうのはすごく伝えたいと思っています。

もちろん売れっ子の作家さんでも、うちで必ず何年かに1回展示をしてもらうようにもしているんですが。

 

 

なるほど。こちらに来れば、若手の作家さんの作品に触れる機会があるということですよね。

 

清野さん:ちょうどこれは船木さんという漆芸の作家さんの作品なんですけど。この方には25歳くらいのときからお願いしているかな。最初からもうすごくて。

 

ワイングラスなんですけど素材は木で、塊から削り出していて、黒漆で仕上げられています。

 

 

えぇ!?パッと見、木のように見えないですね。

 

清野さん:みなさんに「これ、素材は何?」ってすごく言われますね。特に漆ってあんまり今の生活の中で馴染みがないと思うので。

 

すごく不思議な感じがしますね。これでワインを飲むのか……

 

清野さん:まあワイン以外でもいいと思うんですけど(笑)横倒しにしても割れなかったりするので、そういう安心感はありますよね。

 

漆器だと、陶器よりも割れにくかったり軽かったり、汚れにくかったりしますしね。どうしても陶器よりは、値段が高くなっちゃうんですけど。でも伝統工芸のものを買うよりも、若手の作家さんの作品なら、まだ取り入れやすいので。

 

漆ってお椀とかでは使いますけど、意外とお皿とかでも便利なんだなっていうのを伝えたいなぁとは思ってますね。

 

また黒いっていうのが、とても興味をそそられます

 

清野さん:96【KURO】なんか合うかなと思って一緒に並べてますね。本当にクオリティがしっかりしてますよね。

 

—20代の作家さんが作ったような印象はないですね。

 

 

「お客さんの感性を大事にしてほしい」

 

 

 

清野さん:「若手の作家さんの作品を取り入れる」っていうのが1つ。そしてもう1つ、「お店のバイアスがあんまりないように」っていうのをすごく心がけてますね。

 

やっぱり器屋さんとか古道具屋さんって、店主の強さみたいなものがあるお店も多いと思っていて。

 

あぁ、なるほど。

 

清野さん:もちろんそれがいい場合もあるんですけど、「そこの人がいいって言ってるからいい」みたいなのも出てくるじゃないですか。僕は、それはあんまり本質的じゃないと思っていまして。

そういう美意識みたいなものは、個々人が決めることだと思うんです。紹介はするんですけど、お客さんに自然に作品に触れ合ってほしいので、「俺が」みたいな感じはないようにしてます。もちろん「俺の店!」みたいなタイプのお店でいいお店もありますけど!

僕個人としては、「お客さんが直接作品を見た時の感性を大事にしてほしい」っていうのがありますね。なので、お客さんが自然に・フラットに、作品と向き合えるような紹介の仕方とか、空間作りを心がけています。

 

 

確かに、いろんなタイプの作品がありますもんね。

 

清野さん:そうですね。もちろん僕が選んでいるので、そういう意味ではバイアスはあるんですけど。ただ、そこに「自分が選んだからいいでしょ」っていうのはそんなにないかもしれないですね。「僕はいいと思うけど、まぁなんか見てみて〜」みたいな感じですかね(笑)

 

なるほど。後ほど、またいろんな作品を見させてもらいますね。

 

 

 

「パワフルな作品に合わせられる、存在感」

 

 

次に、96【KURO】について伺いたいと思います。96【KURO】というブランドの製品は、金属の黒染めという製法で仕上げているんですが、もともと金属の黒染めってご存知でしたか ?

 

清野さん:いや、全然知らなくて。「ててて商談会」で初めてお話を聞いておもしろいなって思ったんですけど、最初の頃はラインナップにカトラリーがなくて。なので、「なんかかっこいいな」とは思ったんですけど、取り扱うのは難しいな、と。

 

でもその後、カトラリーを作られて、仕上がりも良かったし器とも合うし、ということで。

 

やっぱりカトラリーって、取り扱っているものってどこも結構一緒になっちゃいがちで。海外の有名なメーカーのものを使っているところが多いですよね。でも、なるべく日本の物の方がフィット感もいいだろうなと思っていて。

 

価格帯も、金工作家さんが作った物とかだとすごい高いんですよね。やっぱりフォークとかナイフでも一万円前後しちゃったりとか。そうすると一般的ではない中で、96【KURO】はその塩梅がよくて。うちのお客さんにも気に入ってもらえるんじゃないかなって思って、取り扱うようになりましたね。

 

とても嬉しいです。96【KURO】の第一印象っていうのは、どういったものでしたか?

 

清野さん:カトラリーを作る前って、どんなの作られてましたっけ ?

 

最初は、プレートとタンブラーでスタートしましたね。

 

清野さん:あぁ、そうですね。その時はどちらかというと、アウトドアの印象があったんですけど、物自体は「なんかかっこいいな」と思いましたね。ブラックっていうのもすごくいいですし、産地で作られているっていうのも印象はすごく良かったです。

 

そういう風に感じていただけたのは嬉しいですね。ありがとうございます。 清野さんが感じる、96【KURO】の魅力というのはどういったところでしょうか?

 

清野さん:第一印象としては、なんかエッジが目立つじゃないですか。普通のステンレスの物と違ってシャープだし、マットの方だと写真も撮りやすいんですよね。

 

それと、すごく存在感がありますよね。作家物の器って結構パワフルなので、そういう物だと一般的なカトラリーがあまりフィットしないんですよね。なので黒っぽかったりすると、合う。

 

 

あとは、真鍮で作られた物とかはあるんですよ。ただ僕はどうしても金属的な味が気になる物もあって。その辺は両立したいなって。例えば、漆器とかはすごくいいんですけど、なかなかないじゃないですか。強度の問題もあるし。

 

その中で96【KURO】の製品は、ステンレスに黒染めしてあって、味への干渉もあまり感じないということで、それはすごくいいなと思ってます。

 

味の感覚……なるほど

 

清野さん:96【KURO】の製品だと、僕はスプーンの小を一番よく使っていて。やっぱり金属っぽい味が気になるものはあまり使いたくなくて。木のやつで食べるか、96【KURO】のスプーンで食べるか、みたいな。その時の気分で変えてます。

 

—小サイズのスプーンですと、どういったものに使われていますか?

 

清野さん:デザート系とかですかね。ヨーグルトとかアイスとかにもいいし。あとは、作ったドレッシングをかけるときにつかったりとか、結構なんでもいけますよね。

 

—そうですよね。使っていただきありがとうございます。

 

 

 

「有機的な経年変化を楽しむ」

 

 

 

清野さん:魅力でいうと、光沢のある「つやつや」の方は結構経年変化して、アンティークっぽくなっていくので、それもおもしろいと思ったんですよね。ただ、変化が急激な場合もあるので、好みが分かれると思うんですが。結構有機的なんだなぁとは思いましたね。

 

確かに、そうなんですよね。金属の黒染めは酸化被膜というもので黒くしているので、その変化が早い場合もあるっていうのはおっしゃる通りですね。

 

清野さん:最終的には、銀色に戻っていっちゃうんですか?

 

召し上がるお料理にもよりますね。このまま置いて置いて銀色に戻るってことはないんですね。ただ、強い酸性に浸けると黒染めの皮膜がなくなっていく場合もありますね。

 

清野さん:器でもそうなんですよね。使っていくうちに油が染みていくようなものもあって。最初のような状態で綺麗なまま使いたい人もいるので難しいんですけど、うちのお客さんはどちらかというと、その経年変化を楽しんでいただけるタイプの人だったりするし、ブラックが好きな人も結構多いですね。

 

なるほど。確かに「ざらざら」よりも「つやつや」の方が、経年変化が早いことが多いですね。酸化被膜なので、酸性のものに弱いんですよね。酸性の強い食品、極端にいうとお酢に触れると早い段階で酸化被膜が落ちていきますね。

 

96【KURO】はどういったお客様が購入してくださることが多いですか?

 

清野さん:いろいろですが、まずカトラリーを探してる人は必ず一定数いて。よくある海外のブランドのものを買うか迷っているタイプの方が、「ちょうどいいのがあった!」って買ってくれるパターンが1つ。

 

もう 1つは、男性によくいるんですけど「物体的にかっこいい」って理由で「なんかいいじゃん!」って買ってくような方もいますね。黒いカトラリーってあんまりないので。

 

「物体的にかっこいい」は、ちょっと嬉しいですね。ちなみに、つやつや」と「ざらざら」と、どちらがこう選ばれることが多いとかってあったりするんですか。

 

たぶん「ざらざら」のほうが多いですね。「ざらざら」の方が経年変化もなだらかですし、一般的に紹介しやすいというのもあって。でも僕は「つやつや」がおもしろいと思うので、そういう話をするとこっちを買ってくれる方もいますね(笑)

 

 

 

「産地の技術を生かす・伝える」

 

 

 

96【KURO】では今、カトラリーとマグカップとあるんですが。今後96でどういったもの商品があるといいなっていうあったりしますかね?

 

清野さん:包丁って作れますか?

 

なるほど、包丁!実は包丁の黒染めの依頼自体は結構ありますね。

 

清野さん:要するに、すでにある包丁を黒く染めてくれってことなんですか?

 

そうなんです。

 

清野さん:なるほど。包丁も結構素材がいろいろあるじゃないですか。どんな素材でもだいたいできるものなんですか?

 

稀に染まらないものもありますけど、でもだいたいできますね。

 

清野さん:でも、研ぐのが頻繁だとやっぱり剥げちゃいますか?

 

そうなんですよ。研いでいくとだんだん黒い部分は少なくなっていくんですけど、もう 1回染め直しとかもできますね。

 

清野さん:持ち手まで全体が1本でできている、ステンレスでの物もありますよね。デザイン次第なんですけど、持ち手だけ染めるのもいいなと思って。ちょっとかっこよさそうじゃないですか?(笑)

 

確かに。オールステンレスのものもいいですね。

 

清野さん:それを使っていって経年変化していくっていうのも、ありですよね。地域的にも包丁がやっぱり有名だと思うので、いいですよね。うちで売れるかわかんないですけど(笑)

 

あとは、最初の頃にあったトレーみたいな物も。やっぱり今アクセサリーとかお香のトレーとかを求める人が、特に若い人に多くて。あと、キャッシュトレーも使いたい人はいると思いますね。

 

なるほど。キャッシュトレーも黒染めしたことはありますね。

 

清野さん:そうですか!結構売れそうですけどね。

 

あとは、外で食べる時のお皿。普通のいわゆる紙皿みたいなシンプルなデザインでいいと思うんですけど。薄くて軽めだったら、外でこだわりのキャンプをしたい人にはよさそう。

 

—お皿は「また出してほしい」ってお声をいただくんですが、経年変化が早かったり、我々が求めてるクオリティにするのが難しいので、トレーやお皿はまた今後検討したいなと思います。

 

清野さん:逆に、他にはどんなものが欲しいと言われますか? 

 

結構多いのがお箸ですね。実は、私も作りたいなと思っていて……

 

清野さん:あぁ、お箸!いいですね。お箸は作るのは難しいんですか?

 

作れなくはないと思ってます!

 

清野さん:「ざらざら」の方だと、先っぽが滑らなさそうでいいですね。

 

そうですね。つやつやと比べると随分違うかもしれないですね。

 

清野さん:うん、お箸いいですね。むしろなんかお箸の方が、探してる人はいるかもなぁ。うちも竹箸とかは取り扱ったりしてたんですけど、摩耗が早いんですよね。しなりと細さが僕はすごい好きなんですけどね。でも、金属だったら細くもできそうだし、いいかもなぁ。

 

僕も今、家で料理して食べる時とかも、ナイフ・フォークを使う時もあるんですけど、箸が結構多いですね。楽だしなんでも食べられるので、洋食でも割と箸ですね。レストランでも、箸も置いてあるところも多いですよね。

 

そうですよね。箸はぜひ進めていけたらと思います!

 

最後に、うちは新潟の燕三条という地域で会社を営んでいるんですが、燕三条のイメージって何かありますか?

 

清野さん:やっぱり金属と刃物の印象がすごい強いですね。そこにはすごいこだわりがあるんだろうなとは思いますね。加工技術もたぶん、僕が知らないものとかもいっぱいもっとあるんだろうなと。

 

包丁はうちでは取り扱ってないですけど、見たり調べたりするのが好きでして。いろんなのがあるじゃないですか、チタン加工とか割り込みとか。素材もいろいろありますよね、コバルト鋼とか。僕は、それらがどう違うのかとか、刃物屋さんに行かないとわからないこともあるので、もっと知りたくて。

 

興味を持つ人はいると思うんですよ。特に刃物に関しては、やっぱり男性で好きな人が多いじゃないですか。刀が好きみたいな感じで(笑)だから、技術や情報、職人さんのこだわりとかをもっと開示していったら、おもしろいいいんじゃないかなと思います。

 

 

黒染めのことも、たくさんの方に知ってもらいたいなと思いますね。そういうきっかけで、この商品作りを始めたというのもあるんですけど、発信の仕方も考えていきたいなと思いますね。

 

清野さん:どうやって作っているのか、気になる方は意外にいらっしゃるので。うちでもやっぱり変わった作り方の作品とかは「どういうものなんですか?」って聞いてくる方も全然いらっしゃいます。

 

製品を媒体としてももちろんいいと思うんですけど、知恵とか技術とかをテクニカル的に説明したり、歴史を説明したりしてもおもしろいと思います!

 

 

 

器の存在感がより際立つ、白い壁。まほろさんだから出会える器たち。

清野さんに見つけてもらった器たちは、とても幸せだなぁという感覚になりました。

清野さんが持つ、ニュートラルな物差しと、心豊かな表現は、お話していて心地よく、もっと色々なお話を伺いたくなりました。

清野さん、ありがとうございました。

 

うつわ屋まほろ

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